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執筆者の写真Kanchi

発光生物との出会い Part1

更新日:3月4日

思春期真っ只中、高校3年生の私は、模範生の対極のような学生でした。学校の授業には耳を貸さずに、自分で塾の参考書を内職していました。センター試験が近くなると、ろくに高校にもいかずに、近くの図書館の自習室にこもる日々が続きました。センター試験の前日、2019年1月18日、昼休みに図書館の生物系の棚を眺めていると「下村脩」という名前が目に入り、数ヶ月前にTwitterで流れてきた訃報を瞬時に思い出しました。当時の私は名大理学部が第一志望だったので、下村博士のことはうっすら知っていました。思わず本*を手にとって、読んでみることにしました。すると、みるみる発光生物の虜になっていく感覚に陥りました。昨日まで、大学に何を学びに行くのかパッとしていなかった高校生が、なんと、たった1日で大学で学びたいことが決まってしまったのです。


発光生物がハマった理由は、当時に以下のような悩みがあったからでしょう。


①大学で生物か化学のどちらを専攻するべきか迷っていた

②目に見えないミクロな生命現象に興味がなかった


生物発光は、生物と化学の両方を研究するので絞る必要がないことを知りました(あらゆる生物分野にも化学が関与するが、高校生のときは全く知らなかった)。生物発光は目に見えるわかりやすい分野であり、生物発光という狭い分野が学問として確立されていることにも驚いたのを覚えています。まだまだ謎が多いことにも興味をそそられたように思います。


このときの理由は、もはや今となっては忘れかけていますが、高校理科という狭い箱庭の中で生きてきた南條くんにとっては衝撃が走るほどの感動だったのでしょう。


そんなわけで、私が発光生物に出会ったのは高校をズル休みして、たまたま図書館で1冊の本を読んだことがきっかけでした。良い子は、ちゃんと学校にいきましょう。でも、ちょっとしたズル休みのおかげで運命的な出会いをして、人生が変わることもあるので、保護者の方は大目に見てやってください。


その後、1年間の自宅浪人を経て、偶然にもふたたび図書館で発光生物に再会することになります。Part2へ続く。

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*下村脩(2009)『クラゲの光に魅せられて ノーベル化学賞の原点』朝日選書

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