仙台に来たものの、特にどこに行くわけでもなくじっとしていましたが、ついに県外に出ました。
向かったのは、東北大学の臨海研究所、浅虫海洋生物学教育研究センターです。東北大学は宮城県仙台市にキャンパスがありますが、臨海はなんと青森県にあるのです。臨海が県外にあることは珍しいことではなく、名古屋大学は三重県に、東京大学は神奈川にあったりですが、流石に離れすぎです。中部地方や四国地方に住んでいると、東北の距離感がイマイチわからないのですが、仙台‐青森は、名古屋‐東京よりも遠いです。
車を走らせること5時間。ようやく浅虫につきました。ちなみに、本州最北端の大間は浅虫から車で更に2時間半くらいかかるので、さすがに行く余裕はありませんでした。東北地方は県が南北に長いので、北上する場合に一県が長く、岩手に限っては一生出られないかと思いました。
浅虫臨海は、設立から100年以上経つ歴史ある臨海実験所です。ただし、当時の建物は残っていないので築100年を感じられるわけではありません。それでも建物の中には当時の写真や標本、書籍が残っていたりして、風情がたっぷりで僕の大好物でした。草が生い茂る道の中にこんな石板が。
ミミズやクマムシの研究で知られる初代所長の畑井先生は発光生物分野にも重大な関わりがあります。日本発光生物学の父とも呼ばれる羽根田弥太先生は、大学を卒業したあとに、教授のすゝめでこの浅虫臨海に光る魚を探しに来たそうです。そのときに畑井先生に大変可愛がってもらったそうで、その後も付き合いが続いていきます。もしかしたら、そのときに励まされたりしたことも、羽根田先生が発光生物をライフワークとして続けたきっかけだったのかもしれないと思っています。ちなみに、このときは羽根田先生は、蛍研究の大家だった神田左京先生と一緒に滞在し、世界で唯一発光することが知られているヒモムシを発見しています。浅虫臨海は発光生物学の歴史的にも重要な場所なのです。発光生物オタクからすると、浅虫に来ることは聖地巡礼ともいえるでしょう。
さて、月曜日から金曜日までの5日間滞在しましたが、提供されるご飯も美味しくて楽しい滞在になりました。宿泊費が無料なのはビックリしました。サンプリングについては、こちらから。木曜日には、セミナーで1時間たっぷり話させてもらいました。たくさん喋った後に飲んだクラフトビールは格別で、おかげさまで翌日の午前中は二日酔いに苦しみました。
熊野先生をはじめ、臨海のみなさん、ありがとうございました。また暖かくなったら再訪したいと思います。
Comentarios