勢水丸は勢酔丸だった
- Kanchi

- 11月21日
- 読了時間: 3分
今月11月のはじめに三重大学の実習船、勢水丸に乗って深海生物の調査に参加してきました。今年は2回も船に乗ったし、もうないだろうと思っていたのですが、まさかの3度目がありました。9月に行われたプランクトン学会の後、北里大学の三宅先生から「ベッドが一つ空いてるから乗らない?」と誘っていただいたのがきっかけとなりました。クラゲ好きで三宅先生の方はいないでしょう。メールを貰えただけで感激し、もちろん「行きます!」と即答しました。
11/5
勢水丸は松阪から出港する予定だったのですが、前日の昼まで私は沖縄にいたので大移動する必要がありました。那覇から仙台へ飛んで、そこから新幹線と近鉄を使って松阪駅についたのは0時でした。朝8時、北里大学の方たちが宿泊しているホテルで合流し、車で港まで連れて行ってもらいました。どうやら荒れるらしいという嫌なニュースが入ってきたのですぐにアネロンを服用しました。








結局この日は波が高くて目的のポイントには行けず、表層曳きになってしまいました。目当てのサンプルは手に入らず、この日のサンプリングは終了しました。
夕飯の時間になって、だんだん気持ち悪くなってきたことに気づいてしまいました。。。自分の脳を騙しながら、美味しそうな唐揚げをゆっくり食べていると、船はいつの間にか湾内に入っていたので気分が回復し、唐揚げが段々と美味しくなってきました(助かった~)。
11/7
朝から荒れています。

食後も揺れは増すばかりだったので、アネロンを飲みました。北大の太田さんと朝ごはんの食器洗い当番だったので二人で揺れに耐えながら洗い物をしていると、段々気持ち悪くなってきました。下を向くのが良くないのです。僕にトドメを刺したのは、大量の納豆ご飯茶碗でした。納豆の強烈な匂いとヌメヌメのお茶碗を何十個と洗っているうちに、限界が到来しました。太田さんに「ちょっと横になってきます」とお皿洗いをお願いし、ベッドで休みました。
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そこから夜まで僕が元気になることはありませんでした..................
本航海での失敗点は、アネロンは寝る前に飲んでおくべきだったこと、自分の船酔い耐性を過信しすぎたことでした。長崎丸とかいめいで、指導教員の別所さんよりも船酔いに耐性があり、自信がある気がしたのですが、ただの気のせいでした。船乗りたちからすれば、どんぐりの背比べで、僕も雑魚同然だったというわけです。
もし、僕の興味のある生物がたくさん採れている中での船酔いだったら、さぞ虚しかったでしょうから、そういった意味では救われました。本航海で行く予定だった海域には光るクラゲやウミグモなどなかなか手に入らない生物がごろごろいるようなので、またいつかリベンジしたいと思っています。船酔いの間は、「もう二度と乗らない」と決意するのですが、降りると辛さも忘れて、また乗りたくなってくるのです。



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