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執筆者の写真Kanchi

ついに『発光生物のはなし』発売です!

更新日:10月28日

先日、朝倉書店さんより『発光生物のはなし』が出版されました。私は最年少でありながら歴史を書きました(そのわけは最後に)。



著者経由で購入すると割引があるので、購入をご希望する方はぜひご連絡ください。こちらから第一章全部と第二章ちょっとを試し読みもできるので、気になる方は読んでみることをオススメします。対象読者は生物を履修した高校生以降ですかね。中学生や高校生物に触れていない人には難しいパートが多いかもしれないです。


ちょっと高いなあ〜と思う方が多いと思います。僕もそう思いました。でもこのシリーズは他にも出ていますが、半ページのみカラーなんです。この本は全ページカラーなのに同じ値段なんですよね。そう考えると、ちょっとオトクな気がしてきませんか?


この本の執筆依頼が来たのは、大学3回生のころ、冬の沖縄で旅行兼サンプリングしているときでした。もう1年半以上前のことです。あの頃はろくに研究テーマも決まっていませんでしたので、書けることと言えば歴史くらいでした。というか歴史には強い興味があったので、書いてみたいとずっと思っていたのは事実です。

 ――発光生物を本格的に勉強し始めたころはコロナ禍だったので、ろくに大学の出入りも許されず、学外の発光生物の専門家と交流することも困難でした。当時は優れた入門書が少なかったし、いきなり原著論文も読めるわけもありませんから、できることと言えば発光生物と書いてあるぼろぼろの本を古本屋から取り寄せたり、国会図書館に複写依頼を出したりしてなんとか集めたものを手当たり次第に読み漁ることくらいでした。この頃の体験が僕を発光生物の歴史好きにしてくれました。しかし、これから歴史好きの若い人が現れる可能性は極めて低いでしょう。古い本は存在自体が徐々に忘却されつつあるし、最新研究を知ることは当然出来ないし、何より今は気軽に読める良書が十分すぎるほどあって古い本を読む動機がほとんどないからです。どんなに頑張っても過去の忘却は止めることはできませんが、僕のコラムで時を過去に戻すことで、科学史のおもしろさに気づくひとがいたらば嬉しいです。そしてその人が古い本を読んでみようと思ってくれればこんなにも嬉しいことはないですね。それは発光生物好きを生み出すこと以上に大変なことですからね。


コロナ禍かつ優れた入門書がない当時の恵まれない環境が、この本を書くことに僕を導いてくれたという何とも不思議な話でした。


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